なぜ鐘ヶ淵に?
お店で聞かれる質問のダントツ一位は、「ところでなぜ鐘ヶ淵に?」です。
私は自転車でも車でもわずかの距離に住んでいながら、
実は鐘ヶ淵という街の存在を知らなかったという無知さ加減。
お店ができたらいいなと数々物件を探しあたりましたが、
なかなか見つからず、もう半ば諦めかけた矢先に見つけたのが現在の物件。
駅からの距離0メートルという、信じられない立地で、カウンターのみ。
以前のお店さんがまだその時点では営業されていて、
自分がイメージしているお店像との距離があり、
そこまで予算を掛けずにスタートしたいと思っていた私には、
それをどこまで予算内でイメージに近づけられるか、という課題に迷える時間、
わずか3日弱。
掛かる経費と売り上げの目安を考え、
あとはもう、そう、まるでギャンブルで王手をはる気分で物件を決めました。
お友達からは、「男前ならぬ、『女前』だね~」と驚かれました。
私はいつも、『ご縁』という言葉と意味を信じていますが、
この街にお世話になるようになり、お店を始めてみて、
ことさらその「ご縁」を意識するようになりました。
一昨日は常に満席、というありがたいほどお客様がいっぱいの状態に、
私はまさにてんてこまいで、自分が目指したい十分なおもてなしどころか、
テンポよくオーダーにお応えも難しいほどでしたが、
こちらのお客様も、あちらのお客様も、「かよちゃ~ん」と、
温かく声を掛け、サポートしてくださいました。
このお店がなかったら出会うことのなかったお客様方々。
そしてお世話になっている業者の皆さま。
たくさんの『ご縁』にやどり木と私は支えられています。
あのときの大手が正しかったかどうかは
これからの自分のがんばり次第だと思いますが、
少なくとも、せっかくこうして出会えたご縁を
今は一つ一つ大切にしたいと思っています。
だって、
こんなにも温かい鐘ヶ淵の皆さまが優しく迎え入れてくださっているのですから。
今夜はドイツ料理の一つを少し日本人にも食べやすいようにアレンジした、
鶏のビール煮込みや、キャベツとベーコン(*)のコトコト煮をはじめ、
今までまだやどり木にお出ししたことのないメニューと共に
定番メニューをご用意します。
今日の出会いはどんなでしょうか?楽しみです。
(*ベーコンは、お客様からお譲りいただいた『浅草ハム』さんのものを利用しています。こんなに地元近くに美味しいハムやソーセージのお店があるなんて、やっぱり鐘ヶ淵、最高です♪ お譲りくださいましたT様、本当にありがとうございます。美味しく生かせるように頑張りますっ!)